君しか....
─連翔side─
「…っ…美桜が居なきゃ…美桜が傍に居ないと、俺は何にも出来ないんだよ!…美桜…美桜を探さなきゃ…」
動き出そうとする大翔の腕を掴んだ。
「離せよ!」
俺の手を振りほどこうとしている大翔の腹を思いっきり殴った。
「…連…」
「わりぃな…今はお前の事なんだよ。ちょっと口を閉じようか。」
俺の胸に倒れ込んだ大翔を車の中に連れ込んだ。
「…美桜ちゃんは…皆が捜すよ。」
正直、大翔が女を一生懸命に捜す姿なんか想像できなかった。
でも、今はこんなにも美桜ちゃんがいとおしいらしい。
俺を車にぶつけた時の大翔の目は涙でいっぱいだった。