君しか....


「ただいま」
「美桜ちゃん…え!?」


中にいた実希さんは驚いた顔をして私を見た。


「何?大翔さんに言ったの!?」
「いや…」
「良いんです、家に帰りたくないんで…」


そう言う私をさっきとは違う優しい目で見てきた。
実希さんは洗面所からタオルを持ってきてくれて私の髪を乾かしてくれた。


「美桜ちゃん…」
「はい」
「私は、美桜ちゃんの事…尊敬する。」


私の髪を乾かしながら実希さんは話始めた。


「私も美桜ちゃんと同じだった。」


そう話す実希さんは切ない目をしていた。


「いつも家にはお世話係の人ばかり。親なんて帰ってこないし…。」



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