君しか....


「だからね…振り向いて欲しくて髪も染めてピアスして入れ墨して…今まで良い子に通してた道を全て変えてみた。」


私の髪を乾かし終わって向き合った実希さんは一息ついた。


「でも、もっと駄目だった。むしろ、帰ってくるな、必要ない、恥さらしなんて言われるのが当たり前になって、親とは縁を切った。」


リビングから温かいココアを持ってきた勇瑠くんはコップを置いたあと実希さんを車イスからソファーに座らせた。


「で…うろちょろしてたら勇瑠が拾ってくれたの。優等生でさ…彼氏になるなんて思ってなかった。」



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