君しか....
「はい」
「美桜です」
一ヶ月ぶりに帰る家は私にとって懐かしく感じられた。
「美桜ちゃん!」
玄関に入るとお母様が抱き着いてきた。
「寂しかったの!!」
「うん…」
「…聞いてるから…何で大翔くん振ったの?」
私の金髪を触りながら聞いてきたお母様は優しく質問をしてきた。
「…別の人の所に行かれた時に苦しまないため…」
お母様は頭を撫でながら頷いてくれた。
「私も別れた事あるけど…美桜も辛いのよね。」
そう言いながら私の頭を撫でた。
「…まだ…好き…」
「うん」
「大翔が…好き…」
私をギューっと抱き締めてくれたお母様のせいで涙腺が緩まった。