君しか....
レストランに着くまで私と汐莉は二人で喋っていた。
他の三人は既に合コン相手と意気投合している。
だが、その中に雰囲気が違う男は混じっていなかった。
「十和!」
「…」
「来いよ!」
「…俺は数合わせだろ」
「そんな事言ってるから彼女出来ねぇんだぞ」
男達が笑ってる時に誰も聞こえないような声で舌打ちをしたんだ。
その姿に見とれてしまった。
「…何だよ…さっきから」
十和という男は私を見て聞いてきた。
「いや…」
曖昧に答える私を見ると目線を携帯に変えた。
「美海?」