君しか....


その後の記憶は残ってない。
だが目を覚ますと勇瑠は数学の勉強中だった。


「何やってんの?」


ソファーから起き上がると勇瑠は俺を見てニコッと笑った。


「苦手なんです。数学。」「俺も!ワケわかんないよな。」
「はい…今度のテスト、実希の分まで頑張らないと…」


実希とは勇瑠の彼女。
勇瑠と会った日に実希ちゃんは足を怪我して歩けなくなった。


「頑張れよ」
「はい!!」


俺は、勇瑠の横顔を眺めていた。


「終わりました…」
「おつ〜…メガネ外してみて?」


勇瑠はビックリした表情で俺を見た。
意外に…カッコいいんじゃん?



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