君しか....
高校の卒アルをみて、私はどっかで見た事があると思った。
金が抜け始めた髪にピアス、ネクタイは第二まで下げて、いかにもヤンキーを演じる大翔の隣には、ネクタイを緩めて、いつも通り笑う連翔さん…。
“ヒロ兄、レン兄”
きっと違う…。
でも…
「大翔?」
「ん?」
私の隣で寝転んで本を読んでいる大翔。
「なんでもない…」
「気になる…」
本を閉じ起き上がり私の顔を除き込んだ。
「…高校の時に…」
「うん」
「小学生の女の子助けなかった?」
「…助けてねぇんじゃん?覚えてねぇ…何で?」
「何でもない。人助けってする人だったのかな?って思っただけ。」