君しか....

そうやって言う京介はドアの方向を見ていた。
私も気になって後ろを向くと、そこには、髪が風に靡いている、遠藤が立っていた。


「…京さん…」
「んだよ」
「…校庭」


京介と勇瑠くんと私は校庭に目を移した。
そこには数台のバイクが置いてあった。


「…麗奈は?」
「へ?」
「麗奈はどこだ!」
「多分、教室…」
「勇、秦、コイツ宜しく」


そう言うと京介は屋上を出ていった。


「何しに来た」
「様子見に?」
「…ヒロさんにさ、美桜さんは勿体ねぇよ…」
「…分かる」
「…」


私は黙って聞くしかなかった。


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