愛しいわがまま。


…この2人めんどくさい。


「もうなんでもいから。行こーよ 遥」


私は遥の服を引っ張って歩き出す。



「遊輝、じゃーねー」


笑顔で手を振ると、
遊輝は目をぱちくり。



「ぇ、え?……えぇっ!
凌ちゃーん…」



遊輝の声から逃げるように遥を引っ張り、建物の角を曲がる。

姿が見えなくなった所でやっと、遥の腕を離し立ち止まった。




「…いつまで引っ張られてんの」


自分で歩いてよね。



「………」


「遥?」


なんで無言?

――グイッ

「わっ・・」






「「………」」





「…なんで抱きしめられてんの?私」


「俺が抱きしめたから」


「なんで抱きしめてんの?」

「…むかついたから。」


「なに」

「………」


またもや無言の遥。



「どしたの?」

遥の背中をぽんっと軽く叩いて
私なりに優しく聞いてみた。


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