With ~一緒に~

「だったら、身につけるしかねーだろ。
いい『人間関係』を築く『コミュニケーション能力』ってやつを!」


先生は黒板の字の下に赤線を引いた。


「そのためには、もっと経験するっきゃない。
だ、か、ら、
いいか、おまえら、
ゲームはほどほどにして、ちゃーんと生身の人間と向き合えよ」


すると、一矢報いんとばかりに片岡君が声をあげた。


「でも、今さら探検ごっこでもないっしょ。
それに、もうすでに友達関係がこじれてたら?
友達の考えが納得できないとか、自分の価値観とは全く合わないとか、そういう場合はどーすればいーんすかぁ?」


森先生は片岡君の方を向いた。

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