With ~一緒に~

「あのさ」


私が口を開くと、片岡君は私を見た。


私はちょっとためらいながらたずねた。


「片岡君って……、
真崎君と親しいの?」


「あ?」



片岡君は、まさにハトが豆鉄砲を食ったって、そんな顔をした。

私は慌てて付け加えた。


「あの、ほら、片岡君、真崎君のこと直人って言ったでしょ?
それに、このあいだ真崎君もたしか片岡君のこと、将吾って名前で呼んでたような……
でも、片岡君と真崎君って去年も今年もクラス違うし、部活も真崎君は入ってないし……」

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