Dear...
隣の君
隣の席の君を一言で表すなら「無」。

どんなに話しかけても、笑わせようとしても無駄。

君の顔はどこか寂しげなだけ。

けど、一度だけ君の笑顔を見たことがある。

その顔は、とても優しげで他のどの女子よりも綺麗だった。

“君の笑顔が俺にー度でもいいから向けられたら”

俺はあの時、切実にそう願った。


そして今。

隣の席の君は真っ直ぐに俺を見つめ、小さく呟いた。

“ありがとう”

俺の願いは叶った。


だから、もうーつ願いを決めた。

“君の居揚所が俺の隣になったら”
< 12 / 24 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop