〜偽りの私〜


初めての一人で立つ屋上

空はとても青く広く澄んでいた

でも不気味なほどに静かさを感じた…


鮮明に記憶が戻ってくるようだった

まだ目の前に千夏がいるような

あの日に戻ったような…


そしてあのシーン

私の方をじっと見たまま千夏の姿は…


今まで怖くて

屋上へも

千夏の落ちた場所にも

行けなかった…


それでも

その場所にいく以外

選択肢はないと思った


半年もかけてしまったけど…


ギリギリ端まで足を進めた
足は竦んでしまい

震えが走った

勇気を出して

そこからの景色を見てみた
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