雪の姫―第1章―
雪の記憶
あれから二日が経った今…
赤い雪は止むこともなく…
暑い夏は冬並の寒さに変換されたみたい。
何がどうなってるのか、あたしにもわからない。
勿論、あたしだけじゃなく、町の人達もわからないだろう
昨日のニュースでは、全国に赤い雪が降っているという報道が流れていた
まさに、怪奇現象。
そして、あたしは今日学校に行くつもりだったが、母親に止められ休むことになった
「由衣。話があるから、座って」
いつもより真剣な表情であたしを見つめる母の横に、頭を抱えた兄。
「何?…なんか怖いんだけど?」
「よく聞いて。今から話すことは、あなたにとって…非現実的なことなの。」
「…非現実的?」
「そう。だけど事実だから聞いて?」
「なんか、難しいけど聞くよ」
あたしの返事を聞いて母は胸を撫で下ろし、再び話を続ける