雪の姫―第1章―
「今、降っている赤い雪。これは、あなたに関係があるの」
「あたし?」
赤い雪が…あたしに関係する?
母は頷いて、話を続ける
「お母さんの昔の名前…わかる?」
「えっと…なんだっけ?雪の国がどーとか」
言ってた気がする…
「…ユノアール・ウィリアス。」
「あ、それ!外国人みたいな名前だよねーってあたしが言ったんだよね」
「そう。でも、お母さんは外国人…みたいなものなの。勿論、お父さんも」
お父さん…?
小さい頃に何度か会った記憶があるが、どんな人かは覚えてない
「お父さんは、キース・ヴィオナール。
ある王家の息子だったのよ」
「・・・は?」
お父さんが・・貴族?!
「信じられないかも知れないけど、事実よ。それに、由衣と愁という名前は仮名よ」
仮名!?
な、何・・・?
意味わかんない。
信じられないけど・・お母さん真剣な表情だし…嘘でないことはわかるんだけど…
心の中でモヤモヤしていると、黙っていた兄が口を開いた
「シモン・ヴィオナール…」