雪の姫―第1章―
シモン…?
どこかで…
―シモンお兄ちゃんっ…
ズキズキと頭が痛む
それと同時に懐かしいような記憶が蘇る
―お母様、お父様、スノール国には幸せがいっぱいだね!
やだ、何これ?
スノール国?お父様?お母様?
一体、なんなの―…!!!!
「サクリア・ヴィオナール…深き眠りから心を解き放て」
母親の呪文のようなものに、あたしの身体が光った
な、何…っ?
今まで思い出せなかった小さな頃の記憶が流れ込んでくる…
それと同時にあたしの容姿は一瞬のうちに変わった
今までの茶色の髪が銀色に変わり、オレンジ色の瞳も薄い青色に変わった
「…な、何?何が起こったの?」
「さて、あたしたちも封印を解きましょ」
母と兄は顔を見合わせて、頷き呪文を唱えた
「深き眠りから封印解除」
二人は光りに包まれ、容姿が変わっていた
「お、お母さん…シモンお兄ちゃん?」