雪の姫―第1章―
あたしの目線の先には黒い雲が広がって
いる・・けど、何かが降って来た
「・・綿毛?」
その何かを手の平にのせると・・・
溶けた・・・って雪?!
あたしは慌てて携帯を出し、香帆に外を見るようにと言って、電話をきった
すると
「何なのー・・って、由衣まだそんなとこいたの?風邪ひくよ・・ん?雪!?」
香帆も雪に気付き、びっくりしている
「そ、雪が降ってきたの・・ってあれ?」
「どしたの?由衣」
香帆も制服のまま、あたしの傍に走ってきた
「ねぇ、雪って白だよね?」
「はぁ?当たり前でしょ。雪は白以外ないの!大丈夫?」
香帆は、呆れたようにあたしの肩を叩く
「じゃあさ、あれ何?」
あたしが指さした方向を香帆が見ると
小さな声で“う・・ぅそっ”と言った
指を注した方向には、赤い雪が降っていたからだ・・