雪の姫―第1章―




あたしの目線の先には黒い雲が広がって
いる・・けど、何かが降って来た


「・・綿毛?」



その何かを手の平にのせると・・・




溶けた・・・って雪?!




あたしは慌てて携帯を出し、香帆に外を見るようにと言って、電話をきった




すると

「何なのー・・って、由衣まだそんなとこいたの?風邪ひくよ・・ん?雪!?」


香帆も雪に気付き、びっくりしている




「そ、雪が降ってきたの・・ってあれ?」


「どしたの?由衣」



香帆も制服のまま、あたしの傍に走ってきた



「ねぇ、雪って白だよね?」


「はぁ?当たり前でしょ。雪は白以外ないの!大丈夫?」



香帆は、呆れたようにあたしの肩を叩く






「じゃあさ、あれ何?」


あたしが指さした方向を香帆が見ると
小さな声で“う・・ぅそっ”と言った




指を注した方向には、赤い雪が降っていたからだ・・


 

< 4 / 14 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop