雪の姫―第1章―
「別に悪いとは言ってないよ。」
香帆は頬を膨らませて知香ちゃんを睨む
「あっそ。それより、なんでそんなに慌てて入ってきたのよ」
「あ、それが…!」
あたしたちは、さっきの出来事を二人に話した
「……赤い雪?不吉ね。」
知香さんは、難しそうな顔で窓の外を眺めた
「今だに赤い雪は降ってるんだし、外には出ないことね。香帆帰るよ」
知香さんは一人頷きながら、部屋を出て行った
「ま、待ってよ!んぢゃ、由依またね」
香帆も知香ちゃんを追いかけて部屋を出て行った
部屋に取り残されたあたしと愁にぃ。
さっきから愁にぃは黙ったまま…難しそうな顔で何かを考えている
あたしは、自分の部屋に帰ろうとした時―
「…………―紅い…雪」
愁にぃが沈黙を破った
「愁…にぃ?」