雪の姫―第1章―
愁にぃの様子がおかしい…
「愁にぃ?どうしたの…?」
あたしは愁にぃの側に駆け寄り肩を掴む
が、愁にぃの手に払われた
…震えて、るの?
愁にぃは頭を抱えて、小さな声であたしを呼んだ
「由依…悪いが、出てってくれ」
「でも…」
「出てけって言ってんだろ!!!」
愁にぃの怒鳴り声に肩をあげ、あたしは急いで部屋を出た
「…ごめんな、由依。」
出て行ったドアを見つめながら愁にぃは呟いていた。
その頃、あたしは自分の部屋で考えていた
…愁にぃがあんなに困惑するなんて
それに、“赤い雪”って言ってた
その話をした時から、黙り込んだんだもん
きっと、何かがあるはず…
あたしは窓から学校の方向を眺めた