Memory with you〜天国への贈り物〜
そんな幸せな日々もそう長くは続かなかった。


ある日いつもの場所でいつものように待ち合わせしていると、美代さんは時間になっても現れない。


「遅れてごめんなさい!」


1時間くらい遅れてやってきた彼女は僕に会うなり話始めた。


「今日、親に縁談の話をされていて・・・。私このままじゃ全然知らない人と結婚させられてしまいます!」


泣きながら話す彼女に僕は今しかないと話を切り出した。


「美代さん!僕はあなた以外に生涯を共にする人は考えられない!僕と・・・、僕と駆け落ちして貰えませんか・・・!」


彼女は頬を赤らめ何も言わずにこくりと頷いた。


来週の同じ時間にこの場所でと約束しその日は別れた。


この時代の親の言うことは絶対だった。


こうするしかないのだ、こうするしか・・・。
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