六年一組、本紛失事件
8 アリス
 音楽の授業も終わり、六年一組の教室に生徒たちは戻ってきた。

 美紀子が教室に戻ってみると、誰もいなかった。

一番だからである。すぐに生徒たちは戻ってきたので騒がしくなった。

 二時間目の授業までは時間があった。子吉沢は今度こそアリスと話すために近づいた。

「あの……」

 子吉沢は他の生徒が邪魔しないことを祈った。

 アリスは自分の髪の毛をいじっていた。

「ナァに?」

発する言葉はかわいらしかった。



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