六年一組、本紛失事件
「何! このやろう!」

 高蔵は殴る格好をした。理々は冷静で高蔵から視線をそらした。

「高蔵さん。僕もやってきているので、見せます」

 馬屋はタイミングよく言ってノートを出した。

「そうか」

 高蔵は一瞬にして、笑顔に戻り、ノートを受け取りアリスに渡した。

「ありがとう。馬屋君!」

 アリスは馬屋にお礼を言うとすぐに、自分のノートに書き写した。

 子吉沢は何もできずに地団駄を踏んだ。アリスと会話することに失敗したのであった。

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