六年一組、本紛失事件
「よ、呼ばれたんですけど……」
相変わらず、田脳はおどおどしている。
「私が呼んだの。準備室の片付けを手伝ってもらおうと思ってね」
藤美教諭が言うと、波教頭はまた表情がゆるんだ。
「そうか、今の話はまた後で……」
波教頭は言い残して音楽室を退室した。
「田脳さん、ナイスタイミング! あれ、脇に何を持っているの?」
「は、はあ、ちょっと……」
田脳は一部始終見ていた。藤美教諭が波教頭を手玉に取るのがうまく、怖くなっていた。
「本ね?」
黙っていた田脳の脇を藤美教諭はのぞきこんだのだ。
相変わらず、田脳はおどおどしている。
「私が呼んだの。準備室の片付けを手伝ってもらおうと思ってね」
藤美教諭が言うと、波教頭はまた表情がゆるんだ。
「そうか、今の話はまた後で……」
波教頭は言い残して音楽室を退室した。
「田脳さん、ナイスタイミング! あれ、脇に何を持っているの?」
「は、はあ、ちょっと……」
田脳は一部始終見ていた。藤美教諭が波教頭を手玉に取るのがうまく、怖くなっていた。
「本ね?」
黙っていた田脳の脇を藤美教諭はのぞきこんだのだ。