六年一組、本紛失事件
「どうした?」
改めて高基教諭はひとみに聞いた。間違いなく田脳ことだろう。
「……」
「黙っていては話が進まないぞ」
田脳のことなら話さなくていいと、高基教諭は内心思った。
「あの、今日の朝、本を理々君が持ってきてくれたんですけど……」
田脳の名はなく、理々のことであった。
「あいつ、持ってきたのか?」
高基教諭の心配も的はずれだったので、心はスッキリしていた。
「私が借りると言って、ランドセルの中にしまったんですけど……なくなったんです」
「なくなった? さがしたのか?」
改めて高基教諭はひとみに聞いた。間違いなく田脳ことだろう。
「……」
「黙っていては話が進まないぞ」
田脳のことなら話さなくていいと、高基教諭は内心思った。
「あの、今日の朝、本を理々君が持ってきてくれたんですけど……」
田脳の名はなく、理々のことであった。
「あいつ、持ってきたのか?」
高基教諭の心配も的はずれだったので、心はスッキリしていた。
「私が借りると言って、ランドセルの中にしまったんですけど……なくなったんです」
「なくなった? さがしたのか?」