六年一組、本紛失事件
「なくなったみたい……」
ひとみはバツが悪そうに、下を向いたままだった。
「なくなった? あれ、昨日は絶対大丈夫って言ってなかったけ?」
「言いましたけど……」
「けど?」
「ちゃんと、ランドセルにしまいました。だから盗んだ人がいけないんです」
ひとみは逆ギレした。
「ほう、そうかい。じゃ、泥棒やろう、返しやがれ! あの本はお前らのレベルでは難しすぎて、理解できないぞ!」
理々は生徒たちを疑うように首を左右に動かし、あやしい者をうかがっている。
ひとみはバツが悪そうに、下を向いたままだった。
「なくなった? あれ、昨日は絶対大丈夫って言ってなかったけ?」
「言いましたけど……」
「けど?」
「ちゃんと、ランドセルにしまいました。だから盗んだ人がいけないんです」
ひとみは逆ギレした。
「ほう、そうかい。じゃ、泥棒やろう、返しやがれ! あの本はお前らのレベルでは難しすぎて、理解できないぞ!」
理々は生徒たちを疑うように首を左右に動かし、あやしい者をうかがっている。