六年一組、本紛失事件
「聞いてません」
「給食を残すということは食べ物を粗末にすることなんだよ。もったいないじゃないか」
「そうですけど……」
アリスは言葉が出てこなかった。こんなとき、理々なら理論的なことを述べて、高基教諭を困らせるであろう。しかし、この場に理々はいない。いても自分に関係ないから発言はしないだろう。
「笈滝、全部食べ終えるまで駄目だからな! ここに応援してくれる女の子までいるんだぞ。男ならがんばれ!」
高基教諭にここまで言われ、笈滝はスープを残すことはできなくなった。額から汗がポタポタと流れ落ちた。
「笈滝君、ガンバレ!」
アリスはスープにゴミが入っていることを知らない。
「給食を残すということは食べ物を粗末にすることなんだよ。もったいないじゃないか」
「そうですけど……」
アリスは言葉が出てこなかった。こんなとき、理々なら理論的なことを述べて、高基教諭を困らせるであろう。しかし、この場に理々はいない。いても自分に関係ないから発言はしないだろう。
「笈滝、全部食べ終えるまで駄目だからな! ここに応援してくれる女の子までいるんだぞ。男ならがんばれ!」
高基教諭にここまで言われ、笈滝はスープを残すことはできなくなった。額から汗がポタポタと流れ落ちた。
「笈滝君、ガンバレ!」
アリスはスープにゴミが入っていることを知らない。