六年一組、本紛失事件
「まあ、しょうがない! 明日は食べられるようにがんばってね!」

 アリスは笈滝を励ますように言った。

「どうも……」

 笈滝は恥ずかしかった。アリスの応援も空しく吐いてしまったからである。無理をしてでもスープを飲むべきだったと後悔した。

「おいおい、そんなつまらない話はいいから、片付けろよ」

 馬屋は邪魔するかのように言った。

 笈滝は急いで食器類を片付けた。
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