六年一組、本紛失事件
22 波教頭の質問責め
波教頭は高基教諭が音楽室を退室するのをじっと見ていた。
閉められたドア。
近くには誰もいないと確信して、波教頭は藤美教諭に近づいた。距離にして五十センチしかない。
「藤美先生の好きな花は何だね?」
波教頭の言葉は横柄だが、表情は柔和であった。
「花ですか。そうですね……」
藤美教諭は波教頭の視線をそらすために考えこんだ。
「真っ赤なバラはどうだね?」
「ああ、いいですね」
藤美教諭は強引な波教頭に、取りあえず返事をしただけであった。
閉められたドア。
近くには誰もいないと確信して、波教頭は藤美教諭に近づいた。距離にして五十センチしかない。
「藤美先生の好きな花は何だね?」
波教頭の言葉は横柄だが、表情は柔和であった。
「花ですか。そうですね……」
藤美教諭は波教頭の視線をそらすために考えこんだ。
「真っ赤なバラはどうだね?」
「ああ、いいですね」
藤美教諭は強引な波教頭に、取りあえず返事をしただけであった。