六年一組、本紛失事件
「あります、当番で朝、一番でエサをやります……」

「それは、塙さんと一緒にやるんだろう?」

「はい……」

「今度の当番のとき、俺に言え」

「はい?」

「いや、俺じゃなくて、ツトムに言え」

「笈滝君に言ってどうするんですか?」

「塙さんの代わりにツトムがやるんだよ!」

「ええっ、あの……」

「あの、じゃないよ! とにかく、ツトムと一緒にやれ。いいな! それと、このことを先生に言ったらただじゃ済まさないぞ!」

 高蔵はじっと信田をにらみつけた。
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