六年一組、本紛失事件
「お前、岸本に告れ!」
「ええ? 嫌です」
「何言ってんだ! お前にはお似合いだぞ!」
「そ、そんな、あんな暗い子、大嫌いです!」
「お前に断る権利などない!」
「そんな……」
笈滝は今にも泣きそうである。
「泣くなよ!」
馬屋は笈滝の足元を蹴った。
まったく動こうとしない笈滝を見て、子吉沢がチャイムを押した。
ギッーとドアがゆっくりと開いた。
友香はドアの隙間からひょっこりと顔を出した。
「ええ? 嫌です」
「何言ってんだ! お前にはお似合いだぞ!」
「そ、そんな、あんな暗い子、大嫌いです!」
「お前に断る権利などない!」
「そんな……」
笈滝は今にも泣きそうである。
「泣くなよ!」
馬屋は笈滝の足元を蹴った。
まったく動こうとしない笈滝を見て、子吉沢がチャイムを押した。
ギッーとドアがゆっくりと開いた。
友香はドアの隙間からひょっこりと顔を出した。