六年一組、本紛失事件
「荒屋君、プレゼント……」

 子吉沢は高蔵をにらんだ。鬼の形相のようであった。

「プレゼント頼むよ!」

 馬屋はうれしいそうに笑顔だ。

 荒屋は鉄道模型を取りに行った。

「お前、逃げるのか?」

 子吉沢は怒りが頂点に達し、高蔵と取っ組み合いの喧嘩が始まりそうだった。

「逃げる? 誰が?」

 高蔵も喧嘩ごしである。

「まあ、こんなところで喧嘩も何ですから……」

 馬屋はわって入ってきた。
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