六年一組、本紛失事件
「高基君!」

 校長室にいると思った波教頭は高基教諭がなかなかこないので、しびれを切らし戻ってきたのだ。それもタイミングが悪いことに藤美教諭と一緒のところを見られてしまった。

「はい」

 と、高基教諭は答えるしかなかった。

「先生、がんばってください」

 藤美教諭は教頭を嫌っているのがわかる発言をしたので、高基教諭は勇気がわいてきたのだ。

「それじゃ、ケリをつけてきます」

 高基教諭は意気揚々と校長室に向かった。
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