六年一組、本紛失事件
「わかんないよ」

「笑いのセンスがないな子吉沢君は!」

 古田が言うが、子吉沢はセンスがないのはお前だろうと、言ってやりたいが話が長くなりそうなのでやめた。

「ここが君の家だろう?」

 子吉沢は聞いた。

「そうだよ。はあさん、いただろう?」

「うん」

「ちょっと、耳が遠いのと少し、ボケてるから意味不明だったろう?」

「さっぱりわからなかった」

「本当はかなりギャグをとばしていたんだろうけど、子吉沢君の笑いのセンスでは理解できないだろう?」

< 223 / 302 >

この作品をシェア

pagetop