六年一組、本紛失事件
31 事件の進展?
子吉沢は路上で考えこんでいた。本は見つかりそうもない。六年一組の全生徒の自宅を訪ねたわけではないので推測でしかないが、クラスに犯人がいるとは思えなかった。理々の本を取って誰が得をするのかを考えても該当者はいない。ひとみを困らせることを考えても、敵対するアリスがそんなことをするはずがない。
アリスに限って絶対にありえない。となると、自作自演も考えたが、ひとみに会った感じからそれもありえない。犯人は音楽室に行っている間に教室に忍びこんで盗んだはずだ。だから、学校関係者に違いない。まず、教師ら大人はそんなことをする理由がないので、除外だ。あとは生徒だ。
「あれ、子吉沢君、そんなところで何してんの?」
道端で独り言をつぶやいて、不思議に思ったのだろう。クラスメイトではなければ無視して通りすごしたはずだ。有紀は子吉沢の顔をのぞきこんでいたので、驚いたのだ。
アリスに限って絶対にありえない。となると、自作自演も考えたが、ひとみに会った感じからそれもありえない。犯人は音楽室に行っている間に教室に忍びこんで盗んだはずだ。だから、学校関係者に違いない。まず、教師ら大人はそんなことをする理由がないので、除外だ。あとは生徒だ。
「あれ、子吉沢君、そんなところで何してんの?」
道端で独り言をつぶやいて、不思議に思ったのだろう。クラスメイトではなければ無視して通りすごしたはずだ。有紀は子吉沢の顔をのぞきこんでいたので、驚いたのだ。