六年一組、本紛失事件
34 田脳の行動
高基教諭は職員室の自分の席に座って、気持ちを落ち着かせていた。昨日はあのまま帰ったので、波教頭と藤美教諭とも顔を会わせるのがとても緊張するのだ。まだ、二人とも職員室にはいなかった。
いつもなら、波教頭はいるのに今日に限っていないとはどういうことだ。まさか、田脳が波教頭を殺害していることなんてありえないのだろう。そうなら少しうれしいが、現実的ではない。
「お、おはようございます」
いきなり田脳は高基教諭の耳元であいさつをしたので驚いてしまった。
「何だよ、脅かすなよ。で、やったか?」
「す、すいません……」
「まあ、そうだろうと思ったよ」
「た、助けてください。あんなこと以外なら何でもやりますから……」
いつもなら、波教頭はいるのに今日に限っていないとはどういうことだ。まさか、田脳が波教頭を殺害していることなんてありえないのだろう。そうなら少しうれしいが、現実的ではない。
「お、おはようございます」
いきなり田脳は高基教諭の耳元であいさつをしたので驚いてしまった。
「何だよ、脅かすなよ。で、やったか?」
「す、すいません……」
「まあ、そうだろうと思ったよ」
「た、助けてください。あんなこと以外なら何でもやりますから……」