六年一組、本紛失事件
35 子吉沢の推理
六年一組の教室は一人を除き席に座っていた。
一人とはアリスである。
今日の高基教諭は機嫌をうかがわなくてはいけない状態だ。いつも以上にピリピリしいて、誰も手のつけられないのだ。それでも何もない振りして出席簿を読み上げた。
「また、美田は遅刻か!」
今、ここにアリスが現れれば、出席簿を投げつけられるだろう。
「先生!」
勇気を振り絞って、手を上げたのは子吉沢だった。
「何だまた、美田のことをかばうのか?」
「そうしたいところですが、今日は違います」
一人とはアリスである。
今日の高基教諭は機嫌をうかがわなくてはいけない状態だ。いつも以上にピリピリしいて、誰も手のつけられないのだ。それでも何もない振りして出席簿を読み上げた。
「また、美田は遅刻か!」
今、ここにアリスが現れれば、出席簿を投げつけられるだろう。
「先生!」
勇気を振り絞って、手を上げたのは子吉沢だった。
「何だまた、美田のことをかばうのか?」
「そうしたいところですが、今日は違います」