六年一組、本紛失事件
38 動揺
 ざわついている教室に高基教諭ではなく、隣のクラスの教諭が入ってきた。

「みんな、席に座れ」

 生徒たちは従うように席に座った。

「先生、おまわりさんは何で学校にきたのですか?」

 いくら待っても教室に警察がこないので、須葉留は気になったのだ。

「まあ、色々あってな……」

「何があったんですか?」

「その説明は高基先生がするので、戻ってこられるまでは静かに自習をしているように。いいね?」

 隣のクラスの教諭は言い残し教室を出て行った。すぐに生徒たちは不安なので、しゃべりはじめた。
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