六年一組、本紛失事件
「あります。昨日はですね、藤美先生は教頭にしつこく追いかけられ困っていました」

「追いかけられた?」

「はい、強引に交際を求められたようです。それで、私のところに助けを求められました」

「助けられましたか?」

「まあ、何とか。でも、教頭に脅されました」

「脅された? で、どうしました」

「そうです、ブン殴ってやろうとしましたが、できませんでした」

「できなかったのですね。なのに、結果としては藤美さんが殺害されてしまいましたね。今の話だと教頭があやしいというわけですね?」

「はい」

「失礼ですが、藤美さんとの関係をお聞きしてもよろしいですか?」
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