六年一組、本紛失事件
「関係と言われましても、少し、話をする程度ですね」

「そうですか。深い関係ではないのですか?」

「とんでもない」

「それじゃ、ただ仲が良いだけですか?」

「私は少し好意をいだいていましたが、まだそれ以上ではありません。もちろん、藤美先生の気持ちはよくはわかりませんが、気があるような感じがしました」

「それで、朝、気になったんですね?」

「そうです」

「昨日は、どうされましたか?」

「昨日は学校を出て、まっすぐ家に帰りました」

「どこかに寄ったりとかしませんでしたか?」
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