六年一組、本紛失事件
「理屈ではないよ。事件の解明をするには……」

「ウザイよ。黙れ!」

 理々は鼻を鳴らし、須葉瑠に冷たい視線を突きさし、黙った。

 生徒の反応は犯人の話題で騒ぐ者と、ショックで黙っている生徒にわかれた。

 ガラッと、教室にドアが開いた。高基教諭が戻ってきたのだ。

 一瞬にして生徒たちは黙った。高基教諭の発言に注目した。

「えー、今日は午前授業が終わって、給食を食べて下校してくれ!」

 高基教諭は生徒を見回しながら言った。

「先生!」

 須葉留である。
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