六年一組、本紛失事件
41 急展開
 翌日。

 新聞やテレビで事件のことが報道された。

 藤美教諭は上半身裸で、争った痕跡があった。ブラウスは破られ、ブラジャーも取れていた。首を絞められ、もがき苦しみ、その果てに息を絶えた。

 さがしていた重要参考人の波教頭は自宅で見つかった。首吊り自殺をしたのだった。遺書が見つかり、事件の関与する文章があった。それに、波教頭の爪の中と腕の引っかきキズに藤美教諭の皮膚組織がありDNAが一致した。

 波教頭は藤美教諭を襲って、暴れたために首を絞め死にいたらしめたのだ。嫌がった藤美教諭は腕を引っかいたりしたが絶命したと警察は結果を出した。

 犯人は波教頭で証拠はあるが、なぜ藤美教諭を殺すまでに至ったかは推測でしかない。死の直前に二人の会話を聞いたわけではないが、動機は痴情のもつれとして片付けられた。
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