六年一組、本紛失事件
「ゲン~キ~!」

 アリスは落ちこみの激しい六年一組に元気を注入したようだ。

「元気だよ!」

 と、いち早く反応したのは信田であった。

「みんな元気出しなよ!」

「アリスがいると、明るくなってきたよ。まるで布団が降ったんだ!」

 古田は言うが誰も笑わなかった。意味不明は今始まったことではない。

「それを言うなら布団がふっ飛んだ、でしょ?」

 アリスはナイスな突っこみでみんなを笑わせた。でも、心の底から笑っているのではなく、無理に笑っているのだ。
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