六年一組、本紛失事件
「汚いベロを出さないで!」

「汚くないです。きれいです」

 古田は再びベロを出した。

「キモイ!」

 慶子とひとみは同時に声を発した。

「お前らこそ!」

 古田は言って、慶子とひとみの前から消えた。

「アリス、何で給食が終わってからきたの。いつもこんな遅くはなかったのに?」

 華子が言った。みんな思っていたことであった。

「するどい!」

 アリスは華子に人差し指を向けた。
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