六年一組、本紛失事件
「はあ?」

 華子は意味がわからず、首をかしげた。

「話すことがあるんです!」

 アリスは笑顔だった。

「もしかして!」

 アリスを征し信田は言った。

「えっ、信田君、何か知っているの?」

 アリスは急に困ったように口をすぼめた。

「そうだよね」

 信田は一人だけ納得したようにうなずいていた。

「知ってんの?」

 アリスは信田の顔をのぞきこんだ。
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