六年一組、本紛失事件
「たぶん、だけど、アリスはこれからはモデルだけではなく、タレントとしてドラマとか出るんじゃないの?」

「何で知ってんの?」

「その辺はいろいろと詳しいんで。やっぱり当たりましたか……」

 急に信田の声のトーンが下がるのがわかった。

「わかちゃたら、しょうがないな」

 なぜか、アリスは下を向いた。今までの元気がうそのようである。

「どうしたの?」

 華子は言った。

「オーディションに受かって、映画に出るの。それも準主役で」
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