六年一組、本紛失事件
「はい!」

 信田未樹雄は大きな声で言った。女性アイドル好きで、ファンクラブにも入っているほど熱をあげている。調子がいいとアイドルの歌を口ずさんでいるのだ。

 三人ともどうやら高蔵の指図で立候補したようだ。

 趣味は違うけど、三人は仲が良かった。ジャンケンをして信田に決まった。

「これで、委員全部決まりました」

 と、美紀子が言うと、高基教諭は教壇の前に出てきた。

「おし。学級委員、席に戻っていいぞ」

 小森と美紀子はそそくさと席に戻って行った。



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