六年一組、本紛失事件
「これで、今日中に決めることは終わったな。委員に選ばれた人は大変だけど、がんばって仕事をまっとうするように。委員ではない人も頼まれたら協力をおしまないようにな」

「はーい」

 と、高蔵が大きな声で言うと、クラス全員が後を追うように返事をした。

「今日はこれでおしまいだ。それと、お前ら実力が知りたいからこの問題をやってこい」

 高基教諭は算数の宿題を配った。生徒たちは嫌々だった。

「いつまでやればいいんですか?」

「いい質問だ。明日までだ」

 生徒たちの悲鳴と言える「えっー」と一斉に声が響き渡った。



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