六年一組、本紛失事件
「違うよ。渋革さんには誠意がないって言ってんだろう!」

「誠意、誠意ってうるさいわね!」

 もう、収拾がつかなかった。

「ちょっと待った!」

 馬屋とひとみのバトルに高蔵が入ってきた。もちろん一気に教室内は静になった。

「何?」

 それでもひとみだけは文句があるかのように刺々しい言い方だ。

「まあ、そんなに興奮しないで!」

 高蔵がひとみをなだめた。

「興奮なんかしてないでしょ!」

 もちろん、ひとみは反論してきた。

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