六年一組、本紛失事件
「さすが、高蔵さんだ! あの事態をうまく治めるなんて他の誰もできないですからね」

 と、馬屋は言った。

「そうだろう」

 高蔵はほおを緩め、満足そうだ。

「で、これから男子たちだけで掃除?」

 と、理々が言った。

「そうだ! じゃ、俺は帰るから、コウモリ! あとはよろしくな!」

 と、高蔵は言った。

「高蔵さん、ランドセル持ちますよ」

 と、馬屋は高蔵のカバンを手に持った。

「おう。よろしくな。ツトム! 帰るぞ」

 高蔵と笈滝と馬屋は教室を出て行った。
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