六年一組、本紛失事件
3 奇妙な男
 高基教諭が職員室に戻ると大きな声が響きわたっていた。波教頭だ。

「おう、高基君、どうだった?」

 と、波教頭は高基教諭に声をかけてきた。

「はぁ……まぁ初日なので、こんなもんではないでしょうか」

「そうか! そうだ、こちらが音楽担当の藤美祐子先生だ」

 藤美教諭は色白だった。白いブラウスに紺のスカートをはいている。薄化粧で年齢も二十五歳と若く、とても清楚な美人だ。

「あっ、申し遅れまして、高基と言います」

 と、高基教諭は軽く頭を下げた。



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